生活綴られ方練習

いつも迷い込んでしまう

自分自身に強固な意志でもってやりたいことというものが一切ないので、大体は誰かに誘いかけられるままにふらふらとついていくことが多く、いつも場違いなところに迷い込んでは、なんで僕は今ここにいるんだっけなと部屋のすみっこで考えたりしている。そもそも現代社会、いやいや地球に生まれたこと自体が場違いなんじゃないかなんて、思春期みたいな感傷を皆さんどのように手懐けていらっしゃるのでしょう。故郷の月に帰りたいかぐや姫にちなんで、「かぐや姫症候群」なるシンドロームを提唱している方もいらっしゃるようで。ちなみに僕の故郷は、みなみのうお座の一等星フォーマルハウト系の惑星ダゴンです。

先週はまたしても東京に行っていましたが、いつにもまして毎日が迷い込んでしまう日々でした。一応断っておくならば、この迷い込んでしまうというのは決してネガティブなことということでもなく、ひとえに卑屈な僕の自信のなさからくる人見知りを遠因とするような「僕みたいなんがこんなとこにいてええんですか」という、関西弁でいうなら「気ずつなさ」だったりする。1日目は都築響一さんのコレクションを紹介する大道芸術館、2日目は東京のイケてる若いクリエイターが集まるSame Galleryのリニューアルパーティーや東葛西アートブックフェア、3日目は赤坂ACTシアターでの舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』。極めつきは、子供のころから好きだった東野翠れんさんの撮影に参加できたこと。これこそ本当に「そんなん僕でええんか」という話なんだけど、気後れしつつもなんだかんだで嬉し恥ずかし、出来上がりを楽しみにしています。この分じゃ、きっと面の皮が2cmくらいあるな。

仕事の上でも迷い込むことが多いわけですが、3月31日に発刊された雑誌『広告 Vol.417 特集:文化』(博報堂)に寄稿することになったのは、いくらなんでもさすがに「そんなん僕でええんか」と、びっくりでした。2023年3月1日の投稿でも少し触れた通り、ライターとしての自分のサイトはおろか仕事用のSNSアカウントすら持っておらず、積極的に営業をしているわけでもない自分のもとへ、まったく面識のない編集部から原稿依頼がいただけるとは思ってもいませんでした。昨年の後半は、こちらの仕事におっかなびっくり、がっぷりよつで取り組んでいたわけですが、発売日に届けていただいた本誌を読んでみて思うのは、「まあ僕の文章なんてしょせんこんなもんやな」ということではあるものの、そうはいっても無事に出版されたのはありがたいことです。拙稿はともかく、様々な執筆者が興味深い記事を書いていらっしゃるので、よろしければぜひ。ばるぼらさんの「カルチャー誌の過去と現在」とか読み応え抜群ですよ。

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