少し前に強めのパーマを当ててから、その前にはブリーチも繰り返しているので、珍しくシャンプーだけでなくコンディショナーも使って洗髪する日々ですが、シャンプーをしていて「あ、これシャンプー2回目だな、本当はコンディショナーの番だったな」と気づいてしまうことがある。しかしながら、たまたま気づいてしまったから気づいてしまったけれども、2回シャンプーしてそのまま気づいていない日だって当然あるのかもしれない。さすれば、気づいていないだけで3回4回とシャンプーをしている可能性もあるわけで、もっといえば気づかないで延々とシャンプーをし続けるうちに人生の終わりを迎えてしまうというのもあり得ない話ではなさそうだ。つまるところ、そういう可能的な無限性のただなかで宙吊りにされているような感覚に落とし込むような成分がシャンプーにはあるのであり、コンディショナーを併用する際にはゆめゆめ注意を怠ることなかれ。
7月7日は、ずっと気になっていながら初めて訪れた犀の角(長野県上田市)で、京都の和田ながらさんの個人ユニットしたためによる演劇『埋蔵する』『ふるまいのアーキビスツ』を観た。共通の知人は多いものの、したための作品を実際に観るのは初めて。上演された2作品の戯曲全文がサイトで読めますが、「いずれも徹底してレガシーについての作品」という和田ながらさん自身のコメントがその通りで、まだ京都と東京の公演があるので詳しい言及は避けますが、宇宙探査機ボイジャーのゴールデンレコードを扱うという発想はとても面白い。上田市は袋町というエリアが怪しい歓楽街だった。
翌8日はイ・ランとサム・ゲンデル目当てに立川ステージガーデン(東京都立川市)の『FESTIVAL FRUEZINHO 2023』へ。どのアーティストも素晴らしかったものの、大トリのアマーロ・フレイタスのトリオが圧倒的でもう笑うしかない。「zinho(ジーニョ)」とはポルトガル語で「小さい」「かわいらしい」を表現するときに使う接尾語だそうで、フェス『FRUE』の縮小版といったことのようですが、なんのなんの。とても楽しく充実のラインナップで、会場で会った友人たちと打ち上げたときも、良い歳した大人たちがみんな終始にこにこしていて嬉しかった。たくさん飲んだ後の夜、立川駅近くの宿でチェックイン手続きしていたら隣にイ・ラン本人がやってきて、またも興奮してしまう。悲しくてかっこいい人。
翌日はGASBON METABOLISM(山梨県北杜市)に寄り道して、『Diffusion of Nature 土と夢』という展示を観る。富山県の雲ノ平山荘というところで行ったアーティスト・イン・レジデンスの成果展といった内容で、僕もイン・レジデンスしたい、アーティストじゃないんだけど。ないですか、市井の人・イン・レジデンスのプログラム。会場のGASBON METABOLISMはもともとカメラ三脚メーカー「Velbon」の工場だったところで、リノベーション前のまだ機械や資料が散乱した廃墟のような状況だったときに、GASBON METABOLISMを運営する会社に勤める友人に連れてきてもらっていたので変容ぶりに驚く。ちなみに関西ではVelbonを「ロキノン」と同じアクセントで呼んでいたのだけど、関東の人たちは「J-フォン」のそれで呼ぶから通じない。それにしても遠い。車がないとちょっとしんどい。帰りは韮崎駅まで歩く。まあまあ疲れるのでおすすめはしません。
それにしても上田も立川も北杜も暑過ぎました。いつも風の吹いているここ松本は、昼間は暑くとも夜になるとちゃんと気温が下がるのが何よりありがたい。今朝もとても涼やかな風が部屋を吹き抜けていくものだから、気持ちよく目が覚めて、気持ちよくごろごろしていた。そうはいっても昼間は暑いから家でだらだら缶酎ハイでも呑むのがいいでしょう。夜はというと、近所にあるホームセンターの屋上で缶酎ハイでも呑むのが最高な季節なので、お近くにお越しの際はぜひ。