生活綴られ方練習

珍しく体調を崩して、丸一日家にこもっている日があった。さっさと治してしまいたいので、栄養と睡眠をたっぷり。お酒も養命酒だけにして、それが功を奏したのかすぐ元気になりました。養命酒さまさま。養命酒というと東京渋谷の道玄坂を上りきって国道246号に合流するところにある本社ビルの、あの翼の生えた龍のマークで皆さん記憶しているかと思いますが、何を隠そうもともとは信州発祥の企業です。246のこのあたりは、東京に暮らし始めた一番貧乏だった頃によく自転車で通っていたので少し懐かしい気持ちがある。

慶長年間の信州伊那で、雪の中に行き倒れている老人を助けた塩沢宗閑翁という人が、その老人から見返りとして教えられたのが養命酒のレシピだったそうで。信州にルーツを持つことから、養命酒製造株式会社は諏訪湖ほとりに「くらすわ」なる複合施設を運営していたりもする。徳川家康に献上されたこともある歴史の長い養命酒ですが、今ではハーブリキュール「ハーブの恵み」や、漢方の知識を使った食品や化粧品など新しい商品も開発していて、オンラインストアも展開しているのですが、一番の主力商品である養命酒だけは公式通販サイトで取り扱っていないのです。その理由は、これまで養命酒を長らく販売してくれた小売店との競合を避けるためというのだから、義理堅い企業だなと思う。

そりゃ株主のことなどを考えたら、義理や人情なんて歯牙にもかけず儲けを上げるのが正しいのだろうけど、実際に大手のコンビニなどでも、プライベートブランド商品を自社で開発した途端にそれまで扱っていた競合商品を置かなくなったりするのを見るにつけ何だか淋しい気持ちになる。長い関係を築いてきた取引先でさえ、隙あらば出し抜くようなことが合理的と考えるのが高度に資本主義化した経済だとするならば味気ない。生き馬の目がいくつあっても足りない。

あの246に佇む翼の生えた龍は「應龍」というらしく、龍が何百年も生きると翼が生えてきて應龍になるのだそうだけど、翼がなくても飛べるはずの龍でもやっぱり翼が欲しいと考えたりするのでしょうか。

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