生活綴られ方練習

マキタのインパクトドライバ

元日から引き続いてのお屠蘇気分で、のんびりと松本で過ごす。年末に友人が贈ってくれた日記を読む。『大工日記』を書いた中村季節さんとは、京都からの付き合いで、それだからもう18年近くになる。お互い京都を離れてからは特に頻繁に会うというわけでもなく、むしろ数年に1度会えば良い方なのだけれど、日記を書いて本にしたらしいと聞きつけて連絡をしたらわざわざ松本まで送ってくれて嬉しい。

内容はというと、両親が共に大工という家庭で育った著者が、30代半ばにして初めて大工仕事に就いたその日々の記録で、やはり今でも男性ばかりの職場環境であるがゆえの不自由さであったり、怪我をしても労災扱いになることを嫌って病院にかかれないという業界の習慣であったりと、知らない職場の話というのは面白いもの。中村季節さんが別名義でブログに書いていたトロント滞在時の様子も面白く、別にこっそりする必要もないけれどこっそりと読んでいたので、彼女の文章が本というかたちにまとまったことがまず喜ばしい。

大学を中途で退学したのも、いつの間にかカナダにいたのも、気づいたら大工になっていたのも、彼女のなかでは一貫性があるのだろうが、時おり会って喋るだけの僕からするといつも唐突で、不思議な人だなと思う。それでも会うたびに楽しい話を聞かせてくれるので、今後の作品にも期待したい。本を読む限り、色々と大変なことも多々あったようだけれど、表紙に大きく描かれたマキタのインパクトドライバが何やら誇らしげに見える。

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