生活綴られ方練習

年上の友人たち

東京仕事始め。創業20周年を記念した冊子で関わった会社から久しぶりにお声がかかり、25周年に合わせた鼎談に立ち会うことに。テック系のベンチャー企業の話は、普段あまり積極的に追っていない分野が豊富なのでたまに関わると勉強になって楽しい。その企業の仕事を最初に紹介してくれた人のウェブサイトについて打ち合わせがてら新年会をしようと話していた日だったから巡り合わせを感じる。アーツカウンシルなどで働くその人には、フリーランスになってすぐの頃から色々とお世話になっていて、彼との仕事を介してまた新たな依頼をもらったりしているので頭が上がらない。劇場の仕事や街の仕事など色々なところに関わっているが、彼の一番の好物はビートニクに始まるポエトリーリーディングのカルチャーなのじゃないか。一回り以上も年上の人をつかまえてこんなことをいうのも何だが、渋谷の古い焼き鳥屋で、目を輝かせながら詩の朗読について話す彼を見てこちらまで嬉しくなる。

連日の打ち合わせの合間を縫って、東京の友人たちにたくさん会う。東京2日目の夜は、京都時代からの友人がアートギャラリーLEESAYAのスペースを使って始めたスナック水鏡(すいきょう)」に顔を出す。昨年末に会ったときに、今年から水曜限定でスナックを始めると聞いていて楽しみにしていたので早速来られて嬉しい。LEESAYA代表のさやちゃんとは同じ時代の京都にいたけれど、出会ったのは仕事相手として東京でだったから共通の友人だらけで面白い。最近関西から東京に引っ越したという知人のアーティストに、東京でのアート周りの知り合いが増えるきっかけになればと思い声をかける。新婚の彼女の夫という人もアーティストだそうで、どんな人だろうと思っていたら、数年前に松本で彼が展示をしていた際に話したことのある人でびっくりする。久しぶりに会う人や、つい先日知り合ったばかりの人などと飲めてご満悦の夜です。

3日目は年上の友人と待ち合わせて、夕方の三菱一号館美術館で『再開館記念「不在」 ―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル』を。彼女が乃木坂で営んでいた書店兼ギャラリーを、時々イベントやウェブサイトの手伝いをしていた時期があって、その頃はよく広尾から乃木坂まで歩いたなと思い返す。展示を観た後は、昨年大学院に入った彼女の話をカフェで聞いていたのだけれど、あまり楽しい研究生活ではないようだ。楽しい気分になりたいと思って、別れ間際に「昨年読んで面白かった本を教えてください」とねだる。「そんな、すぐには答えられない!」ということで、互いに帰る電車の中で昨年読んだ本の紹介を長文で送り合った。「やっぱり、本の話が一番楽しいね」とのメッセージに、してやったりと頬が緩む。

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