生活綴られ方練習

東京タワーから続いてく道

2015年から2021年までの丸7年ほどを住んだ、東京の広尾や白金と呼ばれるエリアを久しぶりに訪れた。天現寺交差点をだいたい中心として、地図上で北西から反時計回りに渋谷区広尾、渋谷区恵比寿、港区白金、港区南麻布という4つの町が隣接する地域で、一般的に高級なイメージを想起される住所名と裏腹に、どの駅からも少し距離があるためか開発から取り残されたような町工場や個人商店なんかも点在していて、築年数や平米数、その他もろもろを気にしなければ意外と安い賃料でアパートを借りることができたりする。大使館が多いこともあって、東京でも早い時代から様々な国籍の外国人が住んできたエリアだったからか、せわしない東京のイメージとは少し違って、どこかおおらかな雰囲気が漂っているようにも感じる町。この町に住んでいなかったら、東京の印象は随分と違っていたように思います。

今回の東京滞在での拠点は再開発かまびすしい田町駅の芝浦側。芝浦にはあまり行ったこともないから懐かしさもあるわけがないけど、反対の三田側にも見知らぬ高層ビルがいくつか見え、工事中で渡れない交差点を迂回して随分と遠回りしたりもさせられて、何だかよそよそしい心地がする。東京タワーの見える三田には都営地下鉄の浅草線が走っていて、今は京急線とも京成線とも繋がっているので、羽田空港にも成田空港にも直通になっていて、小沢健二『ぼくらが旅に出る理由』を思い浮かべずにはいられない。「遠くまで旅する人たちに あふれる幸せを祈るよ ぼくらの住むこの世界では旅に出る理由があり」と。新しい世界へと旅立つ人たちの勇気を、僕は美しいと思う。

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