生活綴られ方練習

ずっとうっすら熱中症

先週の京都と東京で取材した記事が公開になっています。さらっとした内容ですが、もしお暇でしたら。『キーワードは「えーっと えーっと」、KYOTO EXPERIMENTが今年も秋の京都で開催』『人気アーティストの都内初個展「鈴木康広展 ただ今、発見しています。」が二子玉川ライズで開催中』。

東京からの帰り道は、北杜のGASBON METABOLISMに寄り道して、 「アンチボ」ことANTIBODIES Collectiveによる公演『ANTIBO / PRAXIS ー 残酷な自由を生きるための革命的実践ー』を観る。圧倒的な空間の迫力が持つ熱量に、というか単純に熱量にやられてしまって、軽い熱中症のような感じになる。ぐったりしてしまって、我らがGive me little moreの15周年にも、2日目に少し顔を出す程度で済ませる。

そんなこんなで今週は体調を慮って安静に過ごしていたけれど、26日にまたもやGASBONに行くことに。美術評論家の中尾拓哉さんがキュレーションを手がけた展覧会『メディウムとディメンション:Maze』のプレスツアーに参加したのです。アンチボのときの暑さに疲弊していたこともあって、少し後ろ向きな気持ちで訪れたのだけれど、行ってよかった。形式上は倉庫ということになっているGASBONでの展示は、関係ない作品も同じ空間に点在していて、キュレーションという意味ではかなり使いづらいのだと思う。それを逆手に取ってか、中尾さんによる本展では、8組のアーティストが同じ空間で別々の個展を展開している、という立て付けになっている。キュレーションとしては、ちょっと裏技っぽいけれど、ほどよく統一感のあるテーマがそれぞれの個展に割り振られていたりして、コンセプトの勝ちという感じ。だからむしろ、キュレーション自体も一人の作家による一つの展覧会という印象になっていて、そっら8つの個展を組み合わせたものを9番目の展覧会として提示してもいる。綿密に理論武装されたコンセプト設計や、それぞれの展覧会の図面をOHPシートにプリントして重ねられるようにしたデザイン、そして何より選ばれた作家の強度があって成立している。豊嶋康子さんのサイコロが観れたのは地味にかなり嬉しい。

でも何より良かったのは、GASBONを運営するGASの社長、西野さんから直接お話を聞けたことかもしれない。準備段階から何度か訪れているGASBONだけれど、今回西野さんの話を聞いてようやく「そういうことか」と膝を打った。そのごく一部を紹介するなら、昨今の現代アートブームもあってか、イベント的に大規模な作品をアーティストは求められることが増えるも、そうしてできた作品は別に購入されるわけでもなく、作家の個人蔵になるがスペースの問題もあるので、それらを保管しつつショールームとしても機能して経済的に循環させる場所があればアーティストの負担を減らせる、というようなこと。ギャラリーやエージェントのような関わり方でなくとも、アーティストの側に立って何か手助けできるというところが単純に良い。

アンチボ以来ずっとうっすら熱中症の体を引きずるようにして松本に帰宅。7月でこの暑さはちょっと恐怖だ。

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