生活綴られ方練習

居場所のない週末

居場所のない週末。ただ涼しい場所でのんびりとワインでも飲みながら本を読んだりできればいいのだけれど、それがない。夏休みも始まってファミレスの類も混み合っているし、気を使わず長時間を過ごせる場所の選択肢の多さではやはり大都会に軍配が上がる。あなたの住んでいる地域に居場所はありますか?

先日あったインタビュー仕事の折、地域コミュニティの衰退の一因として公民館や保健所の現象があるという話を伺って、それはきっとその通りなのでしょうと思いつつも、そういえば公民館や保健所の何たるかを露ほども知らないなと考えて、夏本番の炎天下のなか海か?山か?プールか?いや、まずは本屋に行く。法律の話をするなら、公民館は社会教育法、保健所は地域保健法ということになり、なので丸善ジュンク堂的には前者は人文、後者は医学のコーナーにある。公民館についての本はかろうじて数冊あるが、保健所で丸ごと一冊という本はあまりないなりに、『公民館を再発明する』(牧野篤、2024年、東京大学出版会)と『公衆衛生学理解』(的場恒孝、2023年、九州大学出版会)をそれぞれ購入する。不案内なジャンルなもので選書にも随分と時間がかかってしまったが、それもそのはず、よくよく考えるまでもなくコミュニティとか集団行動とか社会生活とかがそもそも苦手だから、このような人生を送っているのではなかったか。とても大事なことだとは理解しつつも苦手なものは苦手なんだから仕方がない、社会のことなんか忘れて一人で没頭できる数学の本などを読むのがよかろうと眺めていた棚に『語り合う京大数学』(林俊介・古賀真輝、2024年、オーム社)という本が面陳されている。京都大学の入学試験に出た数学の問題を取っ掛かりにして、ということはつまり高校数学レベルの知識で解くことが一応は可能である完成度の高い難問ということだろうが、より深い数学的世界を探索しようというもののようで、こういう内容なら自宅での晩酌のおともに酔っ払った頭を抱えてうんうんと考え込むのがパズルのようで楽しそうかも、と。著者のお二人が随分と若く、こういう年齢や業績がまったく気にされないというのも数学分野の面白いところ。『暮しの手帖』には、「いま、「一銭五厘の旗」を立てるなら」「トーベ・ヤンソンと戦争の時代」といった文字が並んでいる。松本市で惣菜店を営むワインあけびさんのレシピも載っている。

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