スケジュールの調整が上手くいかず、金曜日に東京へ、日曜日にいったん松本へ戻り、水曜日にまた東京へ。2度目の方の東京というのは、より正確には新宿を経由して御殿場へ向かうという仕事で、交通にも東京一極集中の弊害を感じざるを得ないのだけれど、おかげで友人フォトグラファーのmorookamanaabuがわざわざ松本に日帰りで来てまで準備をしていた個展を観に行くことができて何より。もろちゃんの同学年の友人を、2015年と2025年に撮影した写真を並べるという主旨の展覧会。色んな人の10年が思い起こされて、ちょっと感傷的になる。やはり同い年で、もろちゃんとは学生時代からの腐れ縁でもある音楽ライターの三木さんが個展に文章を寄せている。そんな三木さんが企画したイベントに参加したのが土曜日。会場もhttps://www.timeoutcafe.jp/で、懐かしいことづくめだった。
金曜日に広島から向かった東京の夜は、まゆこがやっている「水鏡」に1月ぶりの再訪。広島出身の彼女の、被爆者でもあるという曽祖父の絵が飾られていると聞いて、広島旅行の締めくくりに観ることができて嬉しい。ほかに展示としては東京都写真美術館の総合開館30周年記念で開催されている『ルイジ・ギッリ 終わらない風景』『ペドロ・コスタ インナーヴィジョンズ』、アーティゾン美術館『彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術』などを。ルイジ・ギッリやペドロ・コスタが良いのはもちろん、オーストラリアやタスマニアの先住民族にルーツを持つ現代の女性アーティストについてまとまった展示として観られたのがとてもありがたい。1950年代にイギリスがオーストラリアで行った核実験を題材にしたイワニ・スケースや、自身のルーツでもあるタスマニア先住民についての綿密なリサーチに基づいた作品を発表しているというジュリー・ゴフなどが興味深い。
東京に挟まれた松本の祝日には、朴建雄さんと曽根千智さんによる『にわとり社中』なるプロジェクトに参加。舞台作品のドラマトゥルクなどをしているという朴さんとは、共通の友人が多いこともあって、どういうことをしているのか気になっていたので、これは好機と、よく知らないイベントながら顔を出してみた。「にわとり」には「鶏」だけでなく「庭」を「取る」という意味も込められているらしく、色々な人の自分にとっての居場所=庭を街のあちこちから採集しようということのようだ。比喩であっても、庭というからには必ず管理をしてくれている人がいて、安らんでいるときにもそのことには自覚的でありたいけれど、街にはもっと自由に座って本を読んだりお酒を飲んだりできる場所があればいいと思う。読書と飲酒を同時にできる場所というのが、僕にとっての庭ということになりそうだ。