生活綴られ方練習

やましい者は疑い深い

辻本佳さんの公演『』を観るために京都へ。たまたま松本からミュージシャンの柏木辿さんと滝口優作さんがライブをしに行くというので便乗するが、2人のパフォーマンスがめちゃくちゃ良いものだからびっくりした。DJも、会場のミングルもすべてが良い夜の木屋町だった。

佳さんの『模』は、木工中に指を切り落としてしまってから始めた3Dプリンターでの制作を舞台作品に用いた新シリーズ。今回はまだ実験段階とのことだったけれど、段ボールをスピーカー化したものや、ドローイングマシーンなど色々なアイデアが試みられている。しばらくはこのシリーズをブラッシュアップさせていくことになるようなので、その変化を楽しみにしたい。今年は、『KYOTOGRAPHIE』の時期に合わせて写真展も開催されますので、どうぞご贔屓に。

展示としては、『ARTISTS' FAIR KYOTO 2026』の東福寺会場、ホテル アンテルーム 京都での『デジタルアウラ』、『セカイノコトワリ―私たちの時代の美術』などに。いずれも京都らしい内容で安心する。展示のほかには、あのアスタルテ書房を引き継いだアスタルテ書茶房を初訪問。とても懐かしい心持ちで、米原万里の最晩年のエッセイなど、数冊を購入する。僕よりも先に店にいた高齢のマダム2人が、それぞれに書棚をじっくりと物色した後、「あの頃を思い出しますわね」「中井英夫のこの本も持っていたけれど、今は文字が小さくて読めないのよ」、と微笑みを交わしていた。

年始のベネズエラについても、とんでもないことが起こってしまったと感じたが、今回はイランを爆撃、ハメネイ師殺害とのこと。もう建前も何もあったもんじゃない。こう産油国ばかり狙われるのだから、いよいよペトロダラーについて勉強しなくてはと思う。松本へと帰る電車で、買ったばかりの米原万里をぱらぱらめくっていたら、最初の一編がブッシュによるイラク侵攻のまさに直前に書かれたもののようだ。「やましい者は疑い深い」というイタリアの諺が引かれている。イラクでは結局、大量兵器は見つからなかったわけですが。

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