生活綴られ方練習

永遠の都

引き続きイタリアにいます

24日。まだエトルリアに懸想するのか、フィレンツェ北はずれのフィエーゾレに出かける。この小さな丘の上にあるコムーネからは、フィレンツェの街がよく見える。昨日と打って変わっての快晴と思いきや、お昼過ぎに少しにわか雨。エトルリア人やランゴバルド人について伝える博物館を出て、円形劇場の遺跡を散歩する頃には、すっかり雨もやんで空には虹がかかっていた。夕方、フィレンツェに戻りマリノ・マリーニ美術館へ。作品自体もさることながら、ただ一人の作家による作品を見るためにリノベーションされた空間も素晴らしく、晴れやかな気持ちになる。

25日。絵画や彫刻に少し疲れたというわけでもないけれど、中世邸宅博物館(ダヴァンツァーティ宮)という、13世紀〜15世紀くらいの調度品や日用品をコレクションする博物館を訪れる。お昼に入ったリストランテ「La Spada」は、トランプのスペードと同じ「剣」を意味する物騒な店名だけど、味付けも濃過ぎずとても美味しかった。街なかで疲れたときに必ず足を運ぶようになったオデオンで、気付けば3日連続で休憩を取っていた。

26日。今日も朝から天気が悪いが、むしろ屋内の観光にはちょうどいい。仕事は午前中で切り上げて、お昼からアルノ川を渡りステファノ・バルディーニ美術館に向かう。画家から骨董商へと転身して成功を収めたバルディーニのコレクションの数々を拝める。あまりに何でもかんでも蒐集しているので、物の価値とは何だったっけ?と考え込む。その後は、フィレンツェ滞在の締めくくりとして、ルネサンスの偉人たちが数多く眠るサンタ・クローチェ教会に。ほとんど墓詣での気持ち。

27日。長いようであっという間といえばあっという間だったフィレンツェを発ち、いよいよローマに入る日。未練を残さないように、サンタンブロージョ市場のステファノのお店でチーズを買い、最後のランプレドットを食べる。夕方にローマ着。これから4泊5日の滞在をする宿は、コロッセオからもほど近い中心部にあり、通り沿いにも楽しげなお店が立ち並んでいる。中庭のようなバルコニーのほか、屋上にも居心地の良いスペースがあり、1ヶ月に及んだイタリア滞在は最後の数日まで楽しく過ごせそうな予感がした。

28日。まずは街の全体像を大まかに掴みたいので1日中歩き通す。起伏の激しいローマの街は、文字通り幾層にも歴史が折り重なっていて少し気が遠くなる。トレヴィの泉とか、スペイン広場とか、ポポロ広場とか、観光ど真ん中コースを臆面もなく満喫して、お昼にはご丁寧にも「ロマーナ(ローマ風)」と名付けられたピザまで食べた。パリパリの生地の上にモッツァレラチーズ、トマトソース、バジルにアンチョビまで乗っている。内陸のローマになぜこんなにもたくさんのカモメが飛んでいるのか不思議だったが、これだけ美味しいアンチョビがあるなら話は別。永遠の都でカモメがのさばるのも、せんかたないことなのでしょう。

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