生活綴られ方練習

春の味覚、秘露の味覚

今日は朝からとても風が強い。またしても『⾵のおとずれ〜三代澤本寿とその時間〜』の関連イベントに行くためにひたすら北の方へ缶酎ハイを飲みながら歩いている間もずっと風が吹き付けていて気持ちが良い。田植え前の水を張った田んぼの表面に南風がいくつもの波を起こしていて、その波の一つ一つに反射する光が酔っ払った僕の目にある種の感銘を与える。展示を担当した池ちゃんは少し風邪っぽいらしく「風邪のおとずれ」なんてうそぶいて、ちゃんとオチが着いた。主催のまつもと市民アーツコレクティブの藤原佳奈さんは、つい最近になって松本で知り合ったばかりだが、蓋を開けてみると大学の同期であったばかりか学生時代に同じアパートに住んでいたことが発覚してもはや笑う。

長野県伊那市にあるペルー料理屋「La Casa de Jimmy」に行き、アロスコンポージョやパパアラワンカイーナなどを食べる。前者はアロス=米、ポージョ=鶏なので、文字通り「米With鶏」といった料理。後者の「パパ」は「じゃがいも」、「アラワンカイーナ」は「ワンカヨ風の」ということで、ワンカヨ風のじゃがいもだけど、ワンカヨ風と言われましても……。ちょっぴりピリ辛なチーズソースがたっぷりとかかっているモチモチ系のじゃがいもでした。遅めのランチくらいの感覚で入ったのだけれど、南米ルーツと思しき大家族が入れ替わり立ち代わりやってくる。松本からも遠く、なかなか来ることの叶わない地域だけど、様々な背景を持つ人々の暮らしがこの地域に確かに根付いている、その一端を垣間見るようでとても興味深い。

伊那の方まで行かずとも、長野県には農産物直売所がいたるところにあり、先日は山椒の花も混じった木の芽が大量に投げ売られていた。これはと思って購入。花山椒と生のしらすを、ただそのまま和えただけのものがとても美味しくて、してやったり。花山椒の爽やかかつ華やかな香りと、磯を感じさせるしらすのしょっぱさが極めて見事にマリアージュ、天然のちりめん山椒といった具合で、これだけでずっと酒を飲める。急に真夏みたいな気候になったりもして閉口するけど、春の味覚はまだ味わえる。七十二候は「竹笋生(たけのこしょうず)」になります。掘りたてのタケノコで、我が家も若竹煮をいただきました。

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