昨年10月に亡くなったデザイナーの柏木早苗さんを偲んで開かれた『早苗フェス』に行く。『工芸の五月』オフィシャルブックなど、クラフトフェア関連の出版物を一手に引き受けていたことは知っていたが、今はなき佑学社の本の装丁もたくさん手がけていたようだ。息子さんの柏木辿さん率いる早苗バンドは、辿くんのほか、玄太郎と松原くんのギター、ドラムに喜多さん、サムテンの本橋さんがサックスとフルートというメンバーで、楽しい。僕は早苗さんとは病床にいらっしゃるところに一度お会いしたきりだが、辿くんと親しくさせていただいている縁もあって、先日ご仏前にお線香を上げることもできた。とても良いイベント、辿くんありがとう。
翌日は、まだ酔っぱらっている頭で京都へ向かう。特急しなのの揺れがいつになくしんどい。『向井山朋子 WE ARE THE HOUSE パフォーマンス』を観るためだが、ちょうどジョイス・ラムさんの展示『Water like Wind』も開催中なので、先にそちらを。短い映像作品と、写真とテキストを組み合わせた作品からなる展示で、後者については6月に書籍も発売予定とのこと。楽しみ。向井山さんの作品は、ご自身が22歳の時に経験した中絶についての作品。長い間、誰にも話すことがなかったという、その時間が重みとなって作品に強度を与えていた。ジョイスもスタッフで関わっているし、打ち上げにまで誘われておっかなびっくりついて行ったが、参加しておいて良かった。
松本に帰ってきて、早苗バンドにも参加していた玄太郎と松原くんによるデュオ「透明輻射+溶解金属磨き」も出演する『Nikola H. Mounoud JAPAN TOUR 2026』へ。移動の疲れも溜まっていたので行くかどうか悩んでいたが、3組とも素晴らしかった。「電氣美術研究會」のsho sugitaさんも、毎回とても面白いのだけれど、僕にモジュラーシンセの知識がなくて、どう説明していいのか分からない。13unとのコラボレーションは、非常に合っているように感じた。
早苗さんはたいそう晴れ女だったそうで、『早苗フェス』の日も抜けるような快晴だったけれど、このところ松本は少しぐずついた天気が続いていて、かすむ空気からも確実に春が近づいていることを感じる。